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成長段階の社会的な不適応による要因

吃音 社会

 

人間は成長するにしたがって、
いろいろな人といろいろな環境で、
コミュニケーションを取っていきます。

 

ところが、コミュニケーションの取り方によっては、
うまく自分の気持ちや伝えたいことが相手に伝わらなかったり、
自分のしたいこと、やりたいことを認めてもらえなかったりします。

 

そして、これが原因で吃音になったりするんです。

 

こういったコミュニケーショントラブルなどによって、
まわりとの関係がうまくいかないこと、社会に順応できないことを
「社会的な不適応」といいますが、人が成長するにつれて
人間関係が複雑になるので、表れやすくなります。

 

吃音改善

 

 

ここでは、「社会的な不適応」がきっかけ、
要因となる吃音について具体的に紹介します。

 

 

吃音になる2つの大きなケース

まわりとの関係がうまくいかないこと(社会的不適応)が、
吃音の要因になりうると言いましたが、
大きな2つのケースを紹介します。

 

  1. 「成長につれて、自分の気持ちや意思が伝わりにくくなる」
  2. 「成長につれて、自分の要望や希望が認めてもらえにくくなる」

 

これを詳しく紹介していきますね。

 

 

1.自分の気持ちや意思が伝わりにくくなる

幼少期など成長段階の最初の頃は、
コミュニケーションの相手が両親中心なので、
比較的意思の伝達はしやすいです。
しかし、成長していき、コミュニケーションの相手も増えてくると、
気持ちや意思が伝わりにくくなります。

 

 

家族など小さなコミュニティでは伝わりやすい

吃音 成長

人は生まれてから、
まずは両親を中心にした家族など、
小さなコミュニティで生活し、言葉を覚えます。

 

家族の中ですから、
両親はあなたのことはよく理解してくれますし、
あなたの気持ちや意思もだいたい伝わります。
コミュニケーションも言葉に頼らないでいい場合が多いです。

 

たとえば、家族だけのコミュニティに所属する幼いA君がいるとします。

 

吃音 成長

A君がおやつを食べたいと思った時、
もし上手く言葉で「おやつが食べたい」と言えなくても
「お腹空いた」「あれがほしい」など、間接的な表現を使ったり、
身振り手振りでおやつを指し示したりすると思います。

 

そんなあいまいな説明や表現でも、親であれば、
A君の希望を理解して「おやつが食べたいのか」と分かってくれます。

 

つまり、成長段階の最初の頃は、
誰でも意思の伝達がスムーズに上手くいくということです。

 

 

学校、近所など社会的なコミュニティでは伝わらないこともある

人は成長すると行動範囲を広げ、
近所の子どもや学校の友達と遊ぶようになります。
生まれてはじめて社会的なつき合いをすることになります。

 

この時コミュニケーションの
大きな役目をするのが「言葉」です。
人は言葉を介してコミュニケーションを取り、親交を深めるのです。

 

親と違って友達や先生には身振り手振りだけでは伝わりません。
言葉、というコミュニケーションの手段が必要不可欠となります。

 

吃音 成長

A君がおやつを見つけて、「あれ!」「食べたい!」
もしくは身振り手振りでおやつを指しても、
友達や先生は「おやつを食べたい」というA君の希望を
ちゃんと分かってくれるとは限らないのです。

 

つまり、成長するにしたがい、
意思の伝達が上手くいかなくなることが

出てくるわけですね。
そのためにも、他人に希望や意思をきちんと伝えるためには
言葉によるコミュニケーションが必要となってきます。

 

こうした社会生活を経験して社会的な交流の経験を重ね、
子どもは言語機能を発達させるとともに社会的に成長します。

 

 

2.自分の要望や希望が認めてもらえにくくなる

また、意思が伝わるかどうかだけでなく、
その意思(自分の要望や希望)が相手に受け入れられるかどうかも、
吃音になる要因の1つになります。

 

 

家族など小さなコミュニティでは認めてもらいやすい

 

たとえば家族の中では、A君が
「かくれんぼしたい!」と希望すれば、両親は一緒に
かくれんぼをして遊んでくれるでしょう。
A君の希望は簡単にコミュニティに受け入れられるのです。

 

「最近ずっとかくれんぼばかりだから、今日はなわとびしよう」と
親が提案しても、A君が「かくれんぼがいい!」と言い張れば
親はA君の気持ちを大事にしてくれるので
A君の希望は通り、無事にかくれんぼで遊ぶことができるでしょう。

 

 

学校、近所など社会的なコミュニティでは希望通りにならないことも

一方、学校や近所の友だちなど、
みんなで遊ぶ時にA君が「かくれんぼがいい!」と希望したとします。

 

吃音 成長

でも、「なわとびがいい」と希望する子が多ければ、
多数決の結果、みんなでなわとびで遊ぶことになります。
A君はかくれんぼをあきらめ、
なわとびで遊ばなくてはいけません。

 

家族以外の他人を含んで大きくなったコミュニティでは
A君の希望や意思すべてが
受け入れられることはなくなったのです。
ですから、自分の希望を言い張るばかりではなく
他人の希望や意見もいろいろと聞き入れなくてはいけません。

 

ここでA君がどうしてもかくれんぼがしたいとムキになり
「なわとびはイヤ、かくれんぼで遊びたい!」と言い続ければ、
なわとびで遊ぶ友達はみんなよそに行ってしまい、
A君はぽつんと一人ぼっちで遊ぶことになるかもしれません。
これでは上手く社会的なつき合いができませんね。

 

他人の考えや意見を受け入れて
共同生活を行うことが、社会的な生活を営むということなのです。

 

人はいつまでも家の中だけに留まって生きてはいけません。
社会に出て、成長しないといけないのです。

 

もちろん社会的なつき合いをやっていく中では
トラブルや争いが生じることもあるでしょう。
自分以外の考えを受け入れるのは難しい時もあるからです。

 

しかし、それらのトラブルを乗り越えて交流していくからこそ
人は社会的に成長できるのです。

 

 

この2つのポイントでつまづくと「吃音」になる

吃音 成長

これまでの話を整理すると、
成長段階では、コミュニケーションなどによる社会的不適応で、
吃音になる要因は2つあるとお伝えしました。

 

  1. 「自分の気持ちや意思が伝わりにくくなる」
  2. 「自分の要望や希望が認めてもらえにくくなる」

 

成長段階で、こういった変化にもちゃんと対応できれば、
吃音になることはありません。

 

しかし、持って生まれた資質と幼い頃に芽生えた性格から、
この変化をうまく乗り越えられない場合もあるのです。

 

ここで試練を乗り越えられなければ、
吃音が発症する可能性が出てきます。

 

A君の場合

A君が、もしも傷つきやすく心配性な性格であれば
人とかかわっていくのは少し難しいかもしれません。

 

上手く交流できなかったその時に、どもりが発症する可能性があります。
スムーズに言葉が出ず、すらすらと話せなくなるかもしれないからです。

 

吃音 成長

 

「この前はかくれんぼで遊んでくれなかったし、
今日もかくれんぼは無理かなぁ」とA君は思い悩んで不安を感じ、
友達に遊びの声をかける時に「いい、一緒に・・・」
「かかか、かくれんぼを・・・」などと言葉をつまらせてしまうのです。

 

コミュニケーションにつまづいたA君は、
人とかかわる一番重要な部分である言葉が上手く出てこなくなるのです。

 

 

社会的な試練とは基本的に対人関係の試練であり、
その手段はコミュニケーションであって、主に言葉によるものだからです。

 

社会的なかかわりにつまづけば、
手段である言葉に影響が出て、結果的に「吃音」になりやすくなるわけです。


 

 

 

 

吃音改善